池袋ウエストゲートパーク (文春文庫 い 47-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2001年7月10日発売)
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感想 : 1210
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存在意義・理想の人物像を
追求する少年達の物語

【感想・考えたこと】
✏︎池袋で繰り広げられる、不可解な事件や少年グループの抗争を通じて、成長過程のこどもの精神的な脆さや、危ない道を選択してしまった際には取り返しのつかない力になってしまう恐ろしさが表現されていました。

✏︎自分の知らない世界では繰り広げられているかもしれない、見えない権力争いの一端をイメージすることができ、恐ろしくなるものの、ハラハラドキドキする展開が繰り広げられ、どんどん読み進めてしまいました。

【メモ】
✏︎ガキどもにはモデルがない。身近なところに目標になる大人がいないし、夢も見せてもらえない。おれたちはモデルと絆を用意する。自分が必要とされている充実感、仲間に歓迎を受ける喜び。規律と訓練。今の社会では得られないものを、力をあわせ見つける。

✏︎まわりで人が死ぬと、自分もすこしずつ死んでいくんだ。愛してる人が死んで、愛してくれる人が死んで、自分の死を待ってるだけのときに、おれはここにいる仲間と出会った。やつらはおれのために死ぬだろう。おれもやつらのために死ぬだろう。ためらう理由はない。どうせいつか死ぬんだ。それに死んでしまえば、もうこれ以上誰かが死んでいくのを見なくてすむ。

✏︎おれたちはみんな弱い。だから嘘をつくことがある。おれたちはみんな臆病だ。だから武器をもつこともある。おれたちはみんなバカだ。だから傷つけあうこともある。でも、おれたちは許すことができる。誰がついたどんな嘘だって、きっと許せるんだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年8月23日
読了日 : 2020年8月23日
本棚登録日 : 2020年8月23日

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