紹介されている実験に再現性がないものが多く含まれているなど問題の多い本ですがそれでも多くの示唆に富んだ名著と言えるでしょう。
特に覚えておきたいと思ったのは人は何かの優劣を選択したときに優れていると選択したものマイナス面が見えなくなるバイアスがあるという点。たとえばステレオタイプで人を見るのは現在ではタブーとされており、著者も同意見ではありますが、人がステレオタイプで物事を見ることには利点もあるのにその利点は存在しないものとして扱われてしまう。
社会の価値観が切り替わるときに両極端に走りがちなのはこの性質によるものだと私には思えました。一つの価値観が否定されるときに今まで隠されていた逆方向のベクトルが過剰に働いてしまうのではないでしょうか。
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- 感想投稿日 : 2024年5月5日
- 本棚登録日 : 2024年5月5日
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