万葉集 全訳注原文付(三) (講談社文庫)

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  • 講談社 (1981年12月11日発売)
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浦野所有。

講談社文庫の第三巻には、原著の巻十一~十五を収録。
万葉集のクライマックス、東日本の庶民歌「東歌」(あづまうた)を集めた巻十四も収録されています。

わが後(のち)に生まれむ人はわが如く
恋する道に逢ひこすなゆめ [第2375首]

<訳>わが後に生まれるだろう人は、私のように
恋に苦しむ道には、けっして逢わないでほしい。

…が、しかし、この歌が詠まれて1300年のあいだに、いったいどれほど多くの人々が、恋に苦しんできたのでしょうか。

葛飾の真間の浦廻(うらま)を漕ぐ船の
船人さわぐ波立つらしも [第3349首]

<訳>葛飾の真間の浦を漕いでいる船の、
船頭たちが騒いでいる。波が立ち始めたらしいよ。

…いまから1300年前、東京湾で確かにあった光景。何気ない漁村の1日が、こうして、永遠に語り継がれていくんですね。

すばらしきかな、万葉集!!!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典(日本)
感想投稿日 : 2010年5月11日
読了日 : 2010年5月11日
本棚登録日 : 2010年5月11日

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