磐舟の光芒 上: 物部守屋と蘇我馬子 (講談社文庫 く 1-27)

著者 :
  • 講談社 (1996年5月1日発売)
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600年ごろ。蘇我馬子と物部守屋との戦いにより,物部氏が滅びるまでを描く。
守屋と妻の矢鳴姫の仲睦まじさが際立った作品。
終始守屋は馬子に押され気味であった。守屋は仏教の新鮮さや考えを理解し,自分でも寺を建立しつつも,馬子との駆け引き上,大王を守屋側に引入れるべく廃仏派(親神祇派)を唱えざるを得なくなっていく。
大王が亡くなった後の世の中の流れを的確に読めるような先見性を持った馬子だったが,それに加え,渡来系の東漢氏を味方につけ,大陸文化・物品を輸入し財を成し,それを利用し豪族たちを手なずけたということも大きいだろう。
大和政権が近畿に起こる前に既に大和を支配していたニニギノミコトからはじまる軍事氏族の物部氏であったが,仏教という時の流れに逆らってしまったがゆえに滅んでいったのだろうか。
全2巻

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本史
感想投稿日 : 2009年4月13日
読了日 : 2009年4月13日
本棚登録日 : 2009年4月13日

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