水滸伝 1 曙光の章 (集英社文庫 き 3-44)

著者 :
  • 集英社 (2006年10月18日発売)
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宋の時代,政府の圧制に立ち上がった漢たちが梁山泊に集まり,一つの国というようなものを樹立し,宋との決戦に挑む物語。フィクションではあるが,一応,宋の時代の36人の史実を元に脚色され,現在の108人の漢の物語になったらしい。北方水滸伝は,原本での辻褄が合わないような部分や,ファンタジーちっくな部分を,より現実的な描写に再構成している。敵対する宋軍側の考えにも,梁山泊側の考えにも,どちらにも正義があるように思える。
宋側は現体制のまま政治を立て直して行こうとし,梁山泊側は一度宋をつぶし新しく国を作りかえると言うもの。普通の戦モノと違うのは,登場人物が軍人ばかりではなく,医師,鍛治,情報を伝達する飛脚,城壁等の石積みを作る職人など,様々な人間が登場するとことだ。
北方水滸伝は,続編である楊令伝へと話が続く。
ストーリーは面白いが,19巻ともなると,著者の人物描写が少しワンパターンとなるところ(次に何を言うかが想像がつく)や,登場人物の描写に終始するところ(司馬氏や宮城谷氏は,文書の所々に,自分の考えや地名の由来,雑学のようなものがちりばめられている),女性描写がしつこく,えぐいところなどが自分の趣向とは少し合わないので3つ星とした。決して面白くないわけではないが。。。
全19巻

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中国史
感想投稿日 : 2011年5月21日
読了日 : 2011年5月21日
本棚登録日 : 2011年3月20日

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