刑務所図書館で働く司書が見聞きしたことが描かれている。作者自身のユダヤ教に対する思いや簡単な生い立ちを書いた部分は親しみがないからか、書き方が奥歯にものが挟まったようで読みづらかった。
刑務所図書館勤務に筆者が慣れるにつれ文章も読みやすくなった気がする。
本の間に挟んでやり取りする「カイト(凧)」と呼ばれる手紙や、窓辺で光で文字を書いてほかの塔にいる囚人と連絡を取るスカイライティングはロマンティックだなと思った。
驚いたのは筆者も参加した刑務所で働く人々の研修で、講師が「副業をしている人」をたずねた時にほとんどの人が手を挙げたこと。日本も副業を容認する会社が出てきたが、アメリカでは当たり前なんだなと思うと同時に、「普通の人」が普通に働いているだけでは生活できないような世の中が来るのかなと思った。
そして、本のタイトルで強調されているハーバード卒は無意味というか、学歴はお金を儲けるための有能さを伴わなければアメリカでも役に立たないのだなと感じさせられた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ルポルタージュ
- 感想投稿日 : 2018年10月5日
- 読了日 : 2018年10月4日
- 本棚登録日 : 2018年10月5日
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