儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇 (講談社+α新書)

  • 講談社 (2017年2月21日発売)
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もともとは、モルモン教の宣教師として来日するも、国際法律事務所に就職後、企業コンサルティングや弁護士業と並行して、タレントとしてテレビにも出演。日本人の誠実さを高く評価する一方で、その国民性が海外との交渉や軍事面でデメリットになると警鐘を鳴らす、ケント・ギルバードさんの著書。

もともと中国では、紀元前552年に生まれた孔子が作り上げた「儒教」の考えを重んじ、秦の始皇帝が儒教を禁じた時代以外は、中国人の思想に強い影響を与えているといえる。

しかし、日本人の「儒教」のイメージからすると、「徳」を重んじる思想で、上下の規律があり、人格を育てるのに最適な書物のひとつのようなイメージで、現代でも「四書五経」と呼ばれる儒教の書物をみんなで朗読し、素行不良の少年を更正させたり、社訓とするような企業もあり、現在進行形で良いイメージがもたれている。

本書で「儒教」を呪いとする理由には、中国人の思想にはびこる「中華思想」と密接につながっているから。「中華思想」とは、中国の皇帝こそが世界の中心であり、そこから離れた地域は未開の地、そして、そこに住む人々は禽獣にも等しく、中国から遠ければ遠いほど未開で野蛮だと、何の根拠もなく決めつけている思想のこと。

また、王朝が繰り返し革命にあい、多くの時代を戦乱で過ごしてきた中国では、「儒教」の中心となる「仁・義・礼・智・信」などの優れた部分はすっかり抜け落ち、極端な拝金主義と「公」よりも「私」を重んじ、「私」や「一族」の利益のためなら、法律を犯すこともよしとする風潮へと変化していってしまう。

この大事な部分が抜け落ちた「儒教」と中華思想が密接に絡み合い、おれのものはおれのもの、お前のものもおれのもの。というジャイアン的な思想で世界から批判されてもお構い無しの現在の中国が出来上がっていったのです。

韓国はといえば、もともとの国民性である事大主義(自分の信念をもたず、支配的で強い者や風潮を迎合し自己保身を図ろうとする態度)と、中華思想にあやかっておけば、永遠にNo.2でいられるという思想からか、中国のそれに輪をかけて、中国から遠い日本に対して嫌悪感をもっている。日本が先に行くことを心の底から僻み、妬み、何としてでも蹴落とそうと躍起になり、過去に起きたことは何千年経っても恨み続ける。死んだら神様となる日本的思想にはない、犯罪者や憎むべき者は何代も変わらず憎み続ける執拗さも持ち合わせている。

「特亜三国と呼ばれる」中国、韓国、北朝鮮の非常識ぶりには、ほとほと困り果てている日本ではあるが、日本に生まれてきたことに感謝し、日本の先人たちが中華思想に飲み込まれなかったことにも感謝し、ある程度の距離を保ち、日本人の常識で対応していくしかないと感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年12月25日
読了日 : 2017年12月25日
本棚登録日 : 2017年12月25日

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