神器 上: 軍艦「橿原」殺人事件

著者 :
  • 新潮社 (2009年1月1日発売)
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本棚登録 : 158
感想 : 22
4

時に太平洋戦争末期。
皇国の命運を決する特殊任務を担う(らしい)軍艦「橿原」。
乗艦する一水兵の視点で語られる物語の前半部分は、
饒舌な一人称によってあっちこっちへエピソードが脱線。
なんだ、このヒト真面目に戦争する気が無いんだなw、
というスタンスがありありと感じられてのんびりしたもんですが、
やがて題にあるように「殺人事件」発生!
でもかといって推理小説モードになる気配も無く。

しだいに「ワルプルギスの夜」だの「ロンギヌスの槍」だの、
謎めいた(胡散臭い)キーワードまで飛び出す始末!盛り上がる!
「トヨハタ作戦」なる秘密作戦を下された橿原はどこへ向かうのだろうか?

と、伝奇&戦争モノの世界観が固まってきたというのに、
「禿げた鼠」の登場で一気に冷水をぶっかけられて読者としては「リセットされた」感もありつつ、
(出た、メタ構造! 翻弄されるのも読書の醍醐味ですよな)
こうなったら橿原の最期(?)を見届けてやろうじゃないか、と
と下巻を求めて図書館に走るのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 伝奇戦記
感想投稿日 : 2011年9月26日
読了日 : 2011年9月25日
本棚登録日 : 2011年9月11日

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