ただのエッセイなのに、感動的エピソードが出てくるわけでもないのに、涙が出てしまった。
最後の方に、「木内さんは自分語りをあまりしないと言われる」というようなことが書かれていたが、私にはこのエッセイから木内さんの内面がビシビシ伝わってきた。特に最後の章。
私は物事を頭の中でこねくりまわして先の先まで考えてしまう性質で、「自分はちゃんと考えてる!」という自負がある。と同時に、自分の考えの甘さも痛いほど感じている。
そのせいか、自己啓発本とか、主義主張がドンと書かれた文章を読むのはすごく嫌だ。たぶん凝り固まったプライドがあって痛いとこ疲れるのが怖いんだと思う。
でもこの作品は(もちろん説教臭い内容ではないけど)素直に読めて、自然に心動かされた。それって何でだろう?と考えたのだけど、たぶん木内さんの小説を何冊も読んで、信頼が出来上がってたからかな。小説読んだだけなんだけど、木内昇さんという人をすごく信頼している気がする。
なんか自分の話ばかりになってしまったけど、改めて、ずっと追いかけたい作家さんだと思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2013年8月9日
- 読了日 : 2013年8月9日
- 本棚登録日 : 2013年8月2日
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