どこかにいってしまったものたち

  • 筑摩書房 (1997年6月1日発売)
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感想 : 142
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遊び心を極めたらこうなるのかなという感じでした。すっかりこの本(クラフト・エヴィング商會不在品目録)の魅力にとりつかれてしまいました。どこかにいってしまったものたちの解説書、パッケージ、宣伝用チラシの活版印刷の文字と魔法の薬で作られた古さを出した紙で作り込まれたものは、味わい深くずっと見ていたい不思議なものでした。

例えば、スイッチひとつで闇を作り出す〈アストロ燈〉の使い方の中のひとつに、「大勢の人前でふいに涙がこぼれそうな時、そつと顔に向けて通電。あなたの心をお守りいたします。」と書いてあります。なくてもいいけれど、あったら何だか嬉しくなるようなものがたくさんありました。他にも〈立体十四音響装置〉は、なぜ十四なのかという理由だけで、わくわくしました。その他、〈ベーレ音響のマスコット〉〈水蜜桃調査猿〉〈空中寝台〉〈五萬羊〉など、楽しいものだらけでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年4月5日
読了日 : 2024年4月4日
本棚登録日 : 2024年4月4日

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