トリニダード出身の作者の描くトリニダード。時代は第二次大戦期で、まだイギリスの植民地支配下にあった頃。
少年時代の回想という形をとっているので、基本的には懐かしく、また人情味がある短編が多いのだが、登場人物はみんな夢が破れて、どこか諦めた雰囲気がある。イギリス本国に対する劣等感、被支配感が、「このトリニダードで何ができるってんだよ」という台詞に如実に表れており、どちらかといえば物悲しい雰囲気のただよう作品である。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ラテンアメリカ・カリブ文学
- 感想投稿日 : 2007年7月27日
- 読了日 : 2007年7月27日
- 本棚登録日 : 2007年7月27日
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