戦時中、戦艦大和の乗組員としてその特攻出撃に参加した著者による、記録文学。
硬派な文体で、虚飾や読者への媚びを一切廃し、ただ淡々と自分の体験した大和出撃を描く。途轍もなく貴重な書である。
ここには戦争に対する反省やら、人間の生き方についての哲学めいたものは登場しない。何を読み取るかは読者次第なのだろう。
乗組員の実体験に基づいている為全体的に臨場感あふれるが、特に轟沈から救出されるまでの下りの迫力は凄まじい。
こういった本を読むと、本当に今の我々の世代というものは戦争から遠ざかり、その教訓を実感として感じることがすっかり不可能となっていることを痛感する。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2010年8月22日
- 読了日 : 2010年8月22日
- 本棚登録日 : 2010年8月22日
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コメント 2件
だいさんのコメント
2013/08/18
ジャミラさんのコメント
2013/08/18