発想法 改版 - 創造性開発のために (中公新書 136)

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  • 中央公論新社 (2017年6月20日発売)
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 発想のお勉強。

 …実験科学は仮説を検証するところに重要な性格があるのに対して、野外科学はむしろその仮説をどうして思いつけばよいのかという、仮説を発想させる方法と結びついているのである。

 …問題に関係ありそうな情報を集めるときに、最初に働く人間の能力は決して理性的ではない。なんとなくその情報が必要な気がするという感情のようなものが、理性よりもはるかに先を進んで探索活動をしているのである。それよりもずっと遅れて、「たしかにこの情報は問題に関係があると思う」という理性的な判断が、そのあとに従ってくる。さらにその理性的判断のなかでも、「どういう意味で、この情報は問題に関係があるのか」という理屈は、もう一歩遅れてやってくるのである。発想法の予備段階としての探索過程は、人間が元来備えているらしい、このような探索能力の順番を正直に認めて、その人間らしい自然な能力を十分に発揮させようとするものである。

 …どんな観察事項も次の四つの条件を備えていなければならない。それは(1)とき、(2)ところ、(3)出所、(4)採集記録者についてである。

■人間行動の観察についての着眼点
①類型的行動
②状況
③主体
④対象
⑤手段方法
⑥目的
⑦結果

 …図解のように空間的にものごとの関係認知能力を発達させる場所と、話すとか文章をつくるなどの読み書きのように、ものごとを鎖状に論理でつないで理解する認知能力は、別の場所で行われているのである。

 私の体験内のおおまかな感じでは、反対といわれている声の八、九割までの原因は、じつは提案の内容がわからないところからきている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2021年8月14日
読了日 : 2021年8月14日
本棚登録日 : 2021年8月14日

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