([い]4-1)風待ちのひと (ポプラ文庫 い 4-1)

著者 :
  • ポプラ社 (2011年4月6日発売)
3.97
  • (110)
  • (182)
  • (85)
  • (16)
  • (2)
本棚登録 : 1278
感想 : 133
5

著者の作品を読むのは雲を紡ぐに続いて2回目です。エリートコースを歩んできたサラリーマンが、うつ病になり、妻にも浮気され男としての自信を失い、自殺するつもりで亡くなった母の住んでいた街、美鷲(おそらく三重県の尾鷲市)に訪れます。休職期間中のその街での出会いや恋愛を綴った、切なくも優しいストーリーです。
哲司も喜美子もお互いを好きなのに常識のある人間だからこそ先に進めない感じがなんとも切ない。
雲を紡ぐを読んで、夫婦や親子関係の機微を描写するのが上手な作家だなと思っていましたが、その魅力が存分に詰まった一冊で、今まで読んできた小説の中でも1番と言っていいくらい好きな本です。少し日々の生活に疲れてしまった人にぜひ読んでもらいたいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年8月21日
読了日 : 2022年8月21日
本棚登録日 : 2022年5月27日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする