江戸無血開城に向けてしたためた勝海舟の書を授かり、益満を伴って駿府におわす西郷隆盛のもとへ。道中、清水の次郎長と出会い、助力を得て見事大役を果たすが、その男っぷりが小気味よい。幕臣であって維新後は宮中に仕出する。仕事はもちろん剣に禅に書に、まあ忙しい。すべてに全力を注ぐ性分は、伝記がそのまま小説だ。さすがに酒量が日に3升、本気で飲めば9升ってのは盛りすぎだろうが、書については各所に遺るだけに100万枚も遠からず。我欲を捨てて我事に打ち込む、とにかく凄まじい山岡鉄舟のあっぱれな生涯。
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- 感想投稿日 : 2020年1月16日
- 読了日 : 2020年1月16日
- 本棚登録日 : 2020年1月16日
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