さしたる憎悪もないんだけれど、愛情も希薄というのか淡白というのか、そんな人間関係の中で日々をやり過ごす彼ら。友人であっても親子であっても夫婦であっても、共有する時間が鬱陶しく、さりとて縁を断ち切ることも面倒で、距離を保ちながら気ままに生きようとする。気になる異性とでさえ一線を越えず、でも別れたくはない。付かず離れずに徹するライフスタイルは、気苦労がないようで、でもどうなんだろう。気心が知れない分、相手の胸の内を推量し、かえって要らぬ気苦労をしょっているようで、むしろ面倒くさそう。常に誰かを思いやっていることが、ある意味心の糧となり得ないなら、かくも空虚な今が流れていくんだ。
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- 感想投稿日 : 2016年3月26日
- 読了日 : 2016年3月25日
- 本棚登録日 : 2016年3月14日
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