図書館戦争シリーズのフィナーレを飾る、別冊Ⅱ。
ここまで読んでいればわかる、不器用な2人を主軸にした物語です。
文庫版は更に不器用な人たちのお話で締めていて、これぞ、ザ、図書館戦争シリーズという感じに仕上がっている作品です。
私は、単行本の発刊当時、読んだ時は、面白いんだけど、途中に出てくる人間がとにかく気持ち悪くて、なかなか再読までたどり着けませんでした。
読み返してみて、1話目、2話目の内容を全く覚えてなかったし、ほぼ最後の方も覚えていなかったのに、途中は鮮明に覚えていたというくらい強烈な印象がある道中。
でも、再読してみて、実は今巻のヒロイン的ポジションの柴崎麻子が成長するための試練はこういう形しかないよなと感じた作品。
逆に、こういうとんでも事件じゃないと柴崎の弱点はつけないくらいデキる女だったんだなと思いました。
本作を読んだ時は私はまだ20代で社会にはでていない時。
そんな時に読んだので、社会に出て大変ということや失敗談とか読んでも、堂上さん、小牧さんでもこういうことあったんやなぁと思ってましたが、今、読むと、若気の至りみたいな失敗、わかるわぁとなりました。
そして、本作のヒロイン的な柴崎も、デキる女であるがゆえの弱点というか、一人で大体問題を解決できるという奢りが、大きな問題に発展してしまう。でも、なんでも1人では問題は解決できないし、他人の助けは生きていく上では絶対に必要だということ、そして、その他人の助けを得るためには普段の行動が大事ということがしっかり書かれているというのが本作、本巻の良いところてはないかとおもいます。
決してダダ甘というだけじゃなくて、こういうただの嫌味な美人じゃなくて、本巻までしっかりと柴崎というキャラを作り上げてきたからこその本巻だなと改めて思うフィナーレだなと思いました。
- 感想投稿日 : 2023年9月1日
- 読了日 : 2023年9月1日
- 本棚登録日 : 2023年9月1日
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