「いつかお前を支配してやる。二度と私の邪魔をしに来ないように。必ずお前をわがものにしてやるぞ。」主人公の溝口がかつて理想的な美のシンボルとして「金閣寺」に想いを馳せる。一方、彼の人格が徐々に崩壊してゆく。その過程として、有為子への片思いとその死、障がい者柏木の固執した思考、親友鶴川の自殺、老師との確執が助長し、その終焉である理想的な美の壊滅へとつながっていく。そのエキセントリックな描写とエロティシズムが溝口の人格崩壊をリアルに表現していた。初めて読む三島文学の圧倒的な存在感を堪能できた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
恐怖、ホラー、グロテスク
- 感想投稿日 : 2020年8月11日
- 読了日 : 2020年2月1日
- 本棚登録日 : 2020年8月11日
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