満願

著者 :
  • 新潮社 (2014年3月20日発売)
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本棚登録 : 6765
感想 : 986
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自分なりに解釈し、6話共通して「鬱蒼たる執念」を実感した。著者の誇張的描写が、読者を心地よくさせるのは芸術的センスなのでしょう。6話全てが最後まで展開が分からず、ハラハラ・ドキドキで、最後にはそうきたか!と救いようのない話しで、一気に驚愕するという展開。このように暗く、怖い、驚愕する一貫したブレない描写は流石。「会社のため」に人殺しすることは、どんな悪い状況に陥ったとしてもあり得ないですが、フィクションと分かっていてもこの社員の不幸を「フフっ」と少し楽しんでしまった私は偽善者なのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 不思議な話
感想投稿日 : 2020年8月11日
読了日 : 2019年11月20日
本棚登録日 : 2020年8月11日

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