ラットマン (光文社文庫 み 31-1)

著者 :
  • 光文社 (2010年7月8日発売)
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本棚登録 : 7815
感想 : 792
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真相にたどり着くには、最終頁まで読まなければならなかった。道尾作品は毎回呼吸をするのも憚れるほどの緊張感がある。アマチュアロックバンドのギタリストの姫川が主人公。彼の幼少時に姉が死んだ。その解釈が父母の中で異なるが、真相はさらに異なった。姫川と付き合っていた妊娠中のひかるの死。ひかるの死の真相も姫川、ひかるの妹、バンド仲間で異なる。この本は読み進めるに連れて膨らむ「違和感」。この違和感を楽しむのが醍醐味だと理解した。ボタンの掛け違いで人生をも狂わしてしまう連鎖反応あるいは波及効果。今回も道尾さんに敗北。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: どきどき
感想投稿日 : 2020年9月8日
読了日 : 2020年9月8日
本棚登録日 : 2020年9月8日

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