1997.4 集英社より単行本刊行.
日本史の教科書は固有名詞のオンパレード(「いつ、どこで、だれが、なにを」)で辛かったが、勉強しておいてよかった.そのおかげで今この本を存分に楽しめているのだから.
著者一流の発想力によって、日本史の登場人物たちが動き出す.小説は教科書とは異なり、証拠はいらない.いや、むしろ証拠がないところにこそ、自由な想像力が存分に発揮できる余地がある.
自らの外見にコンプレックスを抱いていた義経が自分の影武者に美形のチンピラをたて、自らは弁慶として横に付き続けた…かもしれないではないか.
奇抜なアイデアだけでなく、著者の軽妙な語り口が読み手の心をとらえて離さない.
キープ本.
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- 感想投稿日 : 2016年3月29日
- 本棚登録日 : 2016年3月29日
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