完全な善も完全な悪もありえない、両者を併せ持つことの自覚が生きていく上で必要な知恵・・・と要はそういうことなのだけれど、そこで終わらないのがイタロの面白さ。善と悪とに引き裂かれた存在を目の当たりにした少年「ぼく」は、めでたしめでたしのラストでもハッピーではない。若き主人公の抱えた、漠然とした孤独感、不安感は、この小説の書かれた時代背景を表したものだろうし、それは今なお私たちも共有するもののように思った。
根性の座ったしっかり者、パメーラがいい味。
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- 感想投稿日 : 2007年8月19日
- 本棚登録日 : 2007年8月19日
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