まっぷたつの子爵 (ベスト版 文学のおくりもの) (文学のおくりもの ベスト版)

  • 晶文社 (1997年8月1日発売)
3.81
  • (14)
  • (28)
  • (25)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 195
感想 : 21
4

完全な善も完全な悪もありえない、両者を併せ持つことの自覚が生きていく上で必要な知恵・・・と要はそういうことなのだけれど、そこで終わらないのがイタロの面白さ。善と悪とに引き裂かれた存在を目の当たりにした少年「ぼく」は、めでたしめでたしのラストでもハッピーではない。若き主人公の抱えた、漠然とした孤独感、不安感は、この小説の書かれた時代背景を表したものだろうし、それは今なお私たちも共有するもののように思った。
根性の座ったしっかり者、パメーラがいい味。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2007年8月19日
本棚登録日 : 2007年8月19日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする