ニューヨークは、ある意味、東京よりも古い都市であり、本著に描かれている情景を追えることが嬉しい。
当時は、日系移民に対する差別や奴隷的な扱いもあったわけで、欧米に対する憧れや崇拝は抑制的になっているところが現実感があって好感が持てる。
(立身出世物語では決してないところ)
一方、駐在員の振る舞い等から、日本の封建的な考え方を批判する箇所も多く(父権社会、男尊女卑等)、荷風の作品のベースになっているところを垣間見ることができる。
なお、これら批判を読み、今でも変わっていない閉塞的な日本社会にうんざりする気持ちを抱く。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年12月17日
- 読了日 : 2023年12月17日
- 本棚登録日 : 2023年12月17日
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