2100年の科学ライフ

  • NHK出版 (2012年9月25日発売)
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iPHONE・アンドロイドスマホの爆発的な普及により、世界の企業地図が大きく変動しているいま、テクノロジーの未来をどう見ているのか、興味があり「2100年の未来」を見てみたくなった。著者も日本人のようだし、超紐理論の科学者みたいだし。
コンピューターはノートになり、スマホになり携帯可能になってきた。インターネットを常に閲覧できるようになった。今後はコンタクトレンズにすべての機能が入る。勿論音声対応で入力もハンズフリー。また超小型MRI帽子をかぶり、脳波で機械を操作できるようになる。ロボットはあらゆるところに導入され単純労働から人間は開放される。しかし、画像認識や常識判断は相変わらず苦手で人間を超えることはできない。遺伝子治療は医療を進歩させる。遺伝子操作で老化を止めたり、デザイナーチャイルドを創造したり、新しい生き物を創造することも可能になる。まるで神の領域に達したようだ。ナノテクは分子・原子レベルになり、量子コンピューターが完成する。
自己構築型のマイクロキューブCatomが何にでも形や機能を変えることができる。新商品を買わなくても、現在の機能から新しい機能へプログラムをダウンロードするだけで変形するスマートCatomだ。エネルギーや宇宙探査などは意外と常識的だ。社会体制の未来はハードの商品資本主義からソフトの知能資本主義へ大きく舵を切る。優秀なソフトウエア人材を育成した国が勝利を収める。今世紀に生きる我々は人類史上最もエキサイティングな時代に生きている。惑星文明Ⅰにたどり着けるか、その前に朽ち果てるか、大きな岐路にある。

以下は、メモ。
1.コンピューター
インターネットの普及・無線通信の高速化でユビキタス世界が実現した。この先、コンタクトレンズサイズの通信端末により、目の前の物を見るだけでインターネットの情報を取得することができる。MRIの小型化により帽子のようなものをかぶるだけで脳のどの部分が活動しているのかがリアルタイムで分かるようになり、思っただけで、外部の機械を動かすことができる。正にテレキネシスだ!スマホはテレパシー、ARはテレポーテーション。超能力が科学の力で現実のものになる。
ムーアの法則によりコンピューターは進化してきたが、今世紀半ばでムーアの法則の終焉が来る。トランジスタの小型化が原子サイズになるためだ。コンピューターは全てのものに埋め込まれ表から姿を消す。
2.人工知能
ロボットが人間より賢くなることは今世紀中はないだろう。人間との融合。
3.医療
ゲノム解読が10万円になり遺伝子に合ったゲノム治療が普通に行われる。幹細胞による臓器再生。老化の克服。遺伝子操作でデザイナーチャイルド、マイティーマウス遺伝子(筋肉2倍)など新しい体を作り上げる。
4.ナノテクノロジー
分子サイズの機械。量子コンピューター。ターミネーター2のような変形金属catom。何にでも変形できるレプリケーター。
5.エネルギー
最終的には核融合エネルギー。宇宙太陽光発電。
6.宇宙旅行
宇宙観光。宇宙エレベーター。火星基地。恒星間探査機(太陽帆・核融合ラムジェット・反物質ロケット)
7.富の未来
世界は商品資本主義から知能資本主義へ。人材の教育が必要。
8.人類の未来
惑星文明タイプⅠ:太陽から地球に降り注ぐ光=10の17乗ワットのエネルギー消費。現在の人類はタイプ0.7、もうすぐタイプⅠの瀬戸際。
惑星文明タイプⅡ:太陽の全エネルギー=10の27乗ワットを消費。『スタートレック」の惑星連邦のレベル
惑星文明タイプⅢ:銀河規模の数十億個の恒星エネルギー=10の37乗ワットを消費。「スター・ウオーズ」の帝国。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会経済
感想投稿日 : 2013年5月26日
読了日 : 2013年5月26日
本棚登録日 : 2013年5月26日

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