催眠〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 早川書房 (2010年7月30日発売)
3.48
  • (17)
  • (61)
  • (64)
  • (11)
  • (4)
本棚登録 : 468
感想 : 61
3

 これも最近世評の高いスウェーデンミステリのシリーズ。国家警察という組織にあって主役のヨーナ・リンナ警部がほぼ単独で捜査を進めるという異色作。当然、当人の人物造型が何より重要になってくるが、残念ながらそこがちょっと弱い。人間的に悪いというわけではないのだが、これだけの長編の主役を張るにしては軽いというか若いというか重みに欠ける。第一作だし、今後に期待というところかもしれないが。肝心のストーリーもいまひとつ。最初の一家惨殺事件と後半の誘拐事件の連関が弱く、いつのまにか話がすり替わってしまっている印象だ。途中のグループ催眠実験の回想も必要な内容なのだろうけれど、話の流れの中では冗長に感じる。まあこれだけではなんなのでもう少し読んでみるかな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外ミステリ
感想投稿日 : 2022年2月27日
読了日 : 2022年2月8日
本棚登録日 : 2022年2月27日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする