虚構の殺人者: 東京ベイエリア分署 (ハルキ文庫 こ 3-19)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2006年10月1日発売)
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 ベイエリア分署安積班長もの第二弾。相変わらず須田、黒木、村雨、大橋、桜井といったそれぞれ個性的な班の面々が活躍し、安積は安積でそれぞれの特性を把握しつつ人間関係の調整に心を砕くという流れ。警察小説だから事件が起こって謎解きがされて解決はするけれど、読みどころはそこではなく、安積をめぐる人間模様だろう。今野敏の警察小説というのはたいていこういうパターンだ。で、それぞれの主役の人間的魅力がシリーズの大きな魅力になっている。だからどれを読んでも裏切られない。ただ、ミステリとして評価されるとどうかは別問題で、本作もテレビ局の花形プロデューサーが墜落死するという事件の真相解明はうすっぺらでお粗末。テレビの60分ドラマを観ているかのようだ。そういう読み方をする本ではないからいいんだけど、それにしてももうちょっとなんとかという気はする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内ミステリ
感想投稿日 : 2014年3月15日
読了日 : 2014年3月11日
本棚登録日 : 2014年3月15日

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