マチネの終わりに

著者 :
  • コルク (2016年4月8日発売)
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本棚登録 : 589
感想 : 51

クラシックギタリストが主人公 大人の愛の物語 
付箋
・音楽は、未来に向かって一直線に前進するだけじゃなくて、絶えずこんなふうに、過去に向かっても広がっていく。人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。
・音楽は、静寂の美に対し、それへの対決から生まれる
・自分の意志にまったく従順に動いてみせるその左手に、なんとなく白々しさを感じた
・またバッハに取り組みたいと考え始めていた。「本来の自分へと立ち返るべく」という衝動だった。
・演奏家だからね。作品の解釈は、出来るだけ作曲者の意図なり、心境なり、世界観なりを掴もうとするのが、せめてもの誠実さだと思う
・被害者っていうのは、決して相対化されない、絶対的な存在でしょう?
・ヘタだと音楽的だ、人間味があるっていうのは、卑しい音楽観、人間観じゃないですかね
・明晰さとは、太陽に最も近い傷だ イプソスの綴りより
・生き残ったっていう事実自体、やっぱり人を苦しませるもの
・同じギターでも、僕が弾いている時と、蒔ちゃんが弾いている時とでは、楽器の態度が全然違うんだよな
・会場に持ち寄った数多の沈黙を共有し、それを一つの音楽に変えねばならなかった
・マチネ 午後の演奏会
・恋がもし、そうしたものであるならば、土台、長続きするはずはなかった。その火は、どこかでもっと、穏やかに続く熱へと転じなければならない。
・相手を笑わせたいというより、笑っていないと、どこか不安なのかもしれない。
・自分が蒔野の理解者であり、慰めであり得るかもしれないという思いは、彼女の見出した一つの特権的な幸福であり、恐らくは安堵ですらあった。
・天才とは、周囲の者の生にとって、常に幾ばくかはそういうプレッシャーの源であるに違いなかった。
・カラシニコフの銃弾が飛び交う世界で、俺のバッハに、どれほどのありがたみがあるのかって。
・やっぱり、三十年戦争のあとの音楽なんだなって 当時の人たちは、バッハの音楽に深く慰められたんだと思う

映画化  https://matinee-movie.jp/

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年9月29日
読了日 : 2019年9月29日
本棚登録日 : 2019年9月29日

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