焦茶色のパステル (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1984年8月8日発売)
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香苗は、夫・大友隆一と喧嘩ばかりをしていた。この日の夜も揉めていたのだが、一本の電話で隆一は、出掛けていった。
翌日の夕方、警察から東北の牧場で隆一が銃で撃たれて重症と知らせがあった。香苗は、急いで病院に駆けつけたが、隆一は、死んでしまった。牧場で死んだのは、競馬評論家の隆一の他に牧場長とサラブレットの母モンパレットと子のパステルの馬の親子が銃で撃たれて死んでいた。数日後、香苗は、一人で隆一と居た部屋に帰ったのだが、部屋に人の入った形跡があった。怖くなり、競馬雑誌の編者の芙美子の部屋に居候させてもらう事になった。競馬の知識の無い香苗は、芙美子の強引な押しにより、事件の真相を追うことに・・。香苗を襲う怪事件の数々。人々に接して立ち直っていく香苗。
事件の裏には、競馬界を揺るがす秘密が隠されていた・・・。

岡嶋二人が江戸川乱歩賞を狙って書いて、見事に受賞した競馬ミステリーです。初期の頃の岡島さんの作品です。
実に丁寧描かれてる作品だと思います。最後まで解らないのは、いつもの事ですが、香苗と芙美子の関係も実によく書かれてると思います。
ほんのり切ないミステリーですが、とっても面白く良い作品です。ぜひ読んで見てくださいね

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本格ミステリー
感想投稿日 : 2009年1月8日
読了日 : 2009年1月8日
本棚登録日 : 2009年1月8日

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