自分の好きな国学者(折口信夫)が探偵役をつとめていると聞いてホイホイされた一冊。その後、勢いで「人麻呂の暗号」にまでつっこんでしまったのは今となってはよい黒歴史ですorz 若気の至りだと思って、苛めるのはもう勘弁してください>関係者各位
「過去の人間と意識をリンクさせることが出来る新薬の被検体のバイトに応募して、」明治42年の折口信夫と同一化する(彼がなにを考えていたかを知ることができる)ことになった―――という冒頭からして力ずくトンデモアクロバットミステリーですが、流石の筆力でしっかり書かれているので、作品世界にさっと入っていくことができます。
「いろは歌」のあの解釈(咎なくて死す)や「奥山歌」の暗号なども、「いかにももっともありそうだ」と思わせてくれて、作品世界にどっぷりとおぼれて楽しめました。殺人事件はいっそなくてもよかったかも、と思いましたが、折口信夫の「嗜好」についての解釈を通すためには、やはり必要だったのかとも。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
推理・ミステリー
- 感想投稿日 : 2010年12月26日
- 読了日 : 2010年12月26日
- 本棚登録日 : 2010年12月26日
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