マスコミの報道だけを見ていると、「孤独死」イコール「寂しい死」というイメージを抱きがちだが、必ずしもそうとは限らない。確かに、そのようなケースも多いのは事実であるが、むしろ根本さんのように病棟で医療関係者のみに看取られ、悼む人もなく、最後は「無縁仏」として葬られるといったケースのほうが、よほど寂しい死と言えるだろう。
孤独死について、「寂しい」「切ない」「無縁社会」といった負のイメージを前提にしてしまうと、問題の本質や背景について、理解しにくくなる。(pp.134-5)
筆者は、「まわりの助けを借りながら『自助』を育む」というふうに考えている。
特に、孤独死で亡くなる方々は、一部を除いて政府の言うところの「自助」機能が弱い、あるいは低下している人であり、まわりからの支援がなければ助からない、もしくは生きていけない人であったと、これまでの自分の経験から思う。
はじめから(政府の言うところの)「自助」能力が低い人に、「自分で頑張ってください」と言っても、それは突き放しただけであり、政府の公的責務を回避したに過ぎない。(pp.203-4)
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- 感想投稿日 : 2015年7月24日
- 読了日 : 2015年7月7日
- 本棚登録日 : 2015年7月7日
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