私たちは知らず知らず与えられた仕事、目先の業務をこなすことで、仕事を「やったつもり」になっている。だが、それは、本来あるべき姿やどうすればもっと自分たちが地域に価値を生み出せるのかという前提での仕事ではない。あくまで現状を追認した仕事に過ぎないということだ。
そして、本来あるべき姿を模索して仕事をすることや、新たな価値を創出するような仕事に対して、できない理由をつけている。組織がそのような体制になっていない、人員が足りない、忙しい、上司の理解がないなどと他者のせいにして行っていない。つまり、自分の周りにある課題を「自分のこと」として捉えていない、というのである。(p.90)
「先ほどの女性患者さんは、どんな病気だったんですか?」
「いや、円城寺さん。僕らは神様じゃないので、それはわからないです。今、初めて会って、昨日は何をしていたのか、これまでどんな生活をしているのかわからなくて、お腹が痛いという主訴だけで何の疾患かなんてわからない。僕たち医者は神様じゃないんですよ」(p.136)
公務員の仕事とは、どんなに地味で目立たなくても、意味のない業務など本来は一つもない。その業務をきちんと行うことで、どんな人にどう役に立つのか。その想像力こそ、公務員に求められるものだろう。(pp.230-231)
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- 感想投稿日 : 2017年3月4日
- 読了日 : 2017年3月1日
- 本棚登録日 : 2017年3月3日
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