久しぶりに読んだ作品。福永作品の中でもかなりボリュームのある作品ですが、さくさく読めます。
この作品の面白さはその構成にあると思います。現在と過去、現実と虚構、主観と客観を自在に往復しながら、東京から広島へのある一つの長い旅(位置的な移動)を舞台に物語が進んでいきます。
上下巻に分かれるほどのボリュームでありながら登場人物がかなり少ないというのも読み進みやすい理由のひとつ。主人公とふたりの女性を中心にして進む物語の中では、彼らの揺れ動く心情が深く深く掘り下げられていきます。
主人公、相馬鼎がある知らせをうけて広島に向かう途中、もうすぐ名古屋に到着するあたりで上巻が終わります。続きが気になるところで一冊が終わるあたりがニクい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2013年9月14日
- 読了日 : 2013年9月14日
- 本棚登録日 : 2013年9月14日
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