白暮のクロニクル (6) (ビッグコミックス)

  • 小学館 (2015年8月28日発売)
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感想 : 18
5

 『白暮のクロニクル』は全体をつなぐ連続殺人鬼“羊殺し”の謎を縦糸に据えながら、各巻において殺人事件とその謎解きが完結するという構造をとっている。
 本巻では若い女性が殺害される。しかも内臓を抜かれている。
 “羊殺し”と同じ。

 “羊殺し”はもう70年にもわたって12年に一度、未年に若い女性を殺して内臓を抜く。確かに今年は未年だが、“羊殺し”の犯行はいつも冬。まだ秋じゃねえか。

 という展開。ゆうきまさみ、意外な人が犯人という仕掛けを繰り出そうというのがこれまでも見えているので、真犯人はだいたい見当がついてしまった。
 今回は連続殺人鬼の謎を追うため、雪村魁の按察使文庫には「殺人研究家」谷名橋が通い詰めている。そこに殺人事件を取材する週刊誌記者・須本がやってきて、伏木あかりも含めて、喧々諤々の議論となる。

 70年も殺人を規則的に繰り返す“羊殺し”は長命者オキナガに違いない。“羊殺し”は今回に限って殺人時期の規則性を乱したのか。ま、きっとニセ“羊殺し”だろうと思って読むのだが。
 かつて雪村魁は“羊殺し”に恋仲だった女性・棗(なつめ)を殺されている。そして棗があかりの祖母だったことが本巻で明るみに出て、魁とあかりの因縁が明らかになり、“羊殺し”の次の犯行を犯す時期が近づく。物語はさっさとクライマックスに突入して10巻くらいで終わっちゃうんだろうか。まさかあと12年待つ話にはならんよな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2016年2月14日
読了日 : 2016年2月14日
本棚登録日 : 2016年2月14日

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