3月のライオン (1) (ヤングアニマルコミックス)

著者 :
  • 白泉社 (2008年2月22日発売)
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12巻まで読破。
表紙の絵の可愛さに最初は、「え?少年漫画なの?」と驚いたものだが、開いてみると絵のタッチが凄く力強くて、線も太くて迫力がある。カラーページも思わずじっと見入ってしまう。
家族が死んでから、得意な将棋を武器に棋士の家に引き取られ、結果的にその家の子供たちを蹴落としてしまった「カッコウの雛」たる主人公・零の心理描写がすごい。
とにかく最初は空っぽで空虚な心境にあった彼が、和菓子屋の三姉妹と出会って交流し、人間らしさを取り戻していく。
一見、草食系男子に見える零だが、苦労を経験していて根性も男気もあり、頭の良さも優しさもある。魅力的な主人公である。キャラクターデザインも素敵。大きな黒縁眼鏡と義父にもらったカーディガンが凄く似合っている。

あかりお姉ちゃんの手料理が、毎回工夫と愛に満ちている。豊かではないかも知れないけど、幸せな一家だ。
三女・モモは場を和ませてくれる。次女・ひなたがいじめに負けずに中学生活を耐え抜くシーンや、それを支える零の姿も素晴らしかった。ひなたのろくでなしの実父が帰ってきて家を乗っ取ろうとした時に、全力で戦ってひなたを守る零の姿にも感動した。
将棋の対局も迫力がある。対戦相手のバックグラウンドが明らかになるにつれ、「どっちにも負けてほしくないなぁ」と思う。
さてさてこれからどうなることやら。
早く続きが読みたいなぁ。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 感動
感想投稿日 : 2017年5月3日
本棚登録日 : 2017年5月3日

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