児童書です。
ダムに沈む事の決まっている村を舞台に父を亡くした主人公が経験するかけがえのないもう1つの夏休みを描いた作品です。
夏の薫り、虫の音色、蛍の儚い刹那の煌めき、自然の息吹。
子供目線で描かれる物語のそこここに忘れていた子供の頃の記憶が甦ります。
郷愁を誘う情景描写は、誰の心にも懐かしさと小さな感動を呼び起こすのではないでしょうか。
命の尊さや生きることの大変さが物語の中で無理なく示されていて、高度経済成長下での消え行く定めの小さな村の叫びは大人の私達の胸にも大きく響きます。
子供達にいつか読ませたいです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
川口雅幸
- 感想投稿日 : 2013年3月26日
- 読了日 : 2013年3月26日
- 本棚登録日 : 2013年3月26日
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