交通事故の半分の側面を網羅している基調な文献である。
水没、酒、休業補償、面積、傷跡、塀、医療調査、示談、替え玉、海外事故、量刑、保険料など、項目を見ると、かなりの事項を網羅しているようにみえる。
コーナーストーンという考え方で、塀の補修について説明しているのは具体的でよくわかりました。
車両の設計上の不備、道路の設計上の不備、安全法規の不備、交通安全体制の不備など、交通安全の再発防止につながるような視点がないような気がする。
「犯罪事件や飛行機事故や医療事故でなくてよかった」
という記載があります。犯罪事故は、被告の支払い能力により被害者に不利だということは理解できます。医療事故と交通事故は、自動車や交通体系の提供者から情報提供がないという点で、似ていないでしょうか。飛行機事故は、事故調査がきちんとして再発防止をしようとするのに対して、交通事故は事故調査が保険会社と警察だけで、自動車と道路の設計者による調査がなく、再発防止もないという点で、悲惨ではないでしょうか。
専門家による調査と再発防止がないという点が、本書に書かれていないことではないでしょうか。交通事故紛争の最終地点だと思いますがいかがでしょうか。
電子化されている自動車で、事故時のデータを利用者がどうやって利用したらいいかが分らないことがおかしくないでしょうか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
事故・失敗学
- 感想投稿日 : 2011年9月23日
- 読了日 : 2008年9月23日
- 本棚登録日 : 2011年9月23日
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