デカルトの密室 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2008年5月28日発売)
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本棚登録 : 425
感想 : 51
3

読んだー!!!

立ち上がりの部分がすごく面白くて、引き込まれるように読み始め、
途中あまりに難解な哲学とか情報とかの理論に次第に食傷し、
でも、解らないながらにそれを何とか理解しようと考えて、
示唆を与えられたり、構成や文章の緻密さに感動したり、
読み応えのある作品でした。

ロボットと人間との差異を考えていく中で、
自分・人間とは何者なのかとか、
自分たちが見ている世界ってほんとは何なのかとか、
改めてちゃんと考えてみなさい、
という示唆を感じました。

とくに私がいいな、と思ったのは、
ロボットの不気味さとかがたくさん書かれるけど、
最終的にはロボットを好意的に受け止めて、
肯定して、ロボットはロボットとして、
一緒に生きていこう、的な流れになったところ。
ジャズのシーンあたりからのくだりがとても素敵でした。
ケンイチくんがなんかとても愛しくなってくる。
作者のロボットへの愛情みたいなものを感じられて、
それで読後感が非常によかったです。

いろいろちゃんと勉強して、
もういちどじっくり読み返したいなと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2011年8月4日
読了日 : 2011年8月4日
本棚登録日 : 2011年4月29日

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