何者でもない (講談社文庫 は 36-3)

著者 :
  • 講談社 (1995年10月1日発売)
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感想 : 14
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〜ショウジショウイチは劇団二十一世紀少年の奴隷だ。奴隷とは最も下っ端の役者で、通行人はおろか、装置転換ぐらいしかやらせてもらえない。本業そっちのけでアルバイトに精を出し、住まいは当然風呂なしアパート。そんな彼らが唯一手にしているもの、それが夢なのだ。劇団に生きる人々をやさしく描く青春小説〜全体的に言えば普通。取り立てて凄い展開があるわけでもなく、淡々と進みます。俳優を目指した事はないけれど、劇団の中で貧乏に暮らす主人公の状況や心境には、個人的に感情移入出来る部分があり…読んでいて共感したり、歯がゆかったりする部分がありました。主人公は変わらず、その仲間達との交流による3つの短編集からなっていますが、その中では表題でもある「何者でもない」が良かったです。素直に感動しました。

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感想投稿日 : 2007年6月8日
本棚登録日 : 2007年6月8日

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