貢献力の経営(マネジメント)

  • ダイヤモンド社 (2011年5月20日発売)
3.39
  • (6)
  • (16)
  • (15)
  • (3)
  • (4)
本棚登録 : 121
感想 : 30
4

自分の部署だけでは対応できないことも、別の部署、別のグループの協力があれば実現できるかもしれません。あるいは、グループ外の企業や専門家の支援を得る手もあります。
どうしたら孤立状態から脱することができるのか。そのためにはまず、自分から一歩、相手に歩み寄ることです。そして相手が困っていたら、自分の時間や知識、ノウハウ、スキルを提供し、協力してあげてみることです。
会社の中にも、さまざまなコミュニティがあります。営業課長なら、管理職研修などを通じて知り合った人々とのコミュニティがあるでしょう。同期の仲間もいるでしょう。営業会議に集まった他の営業職とのコミュニティも持っているはずです。研修、企業内大学、そのほかのインフォーマルな勉強会なども貴重なコミュニティです。もちろん、社外の異業種交流会などにも参加してみれば、刺激的なコミュニティとなるに違いありません。組織や立場を超え、多様なコミュニティの中でつながり合い、支えあう、こういった行動から生まれる力を『貢献力』と呼びたい。
数値目標にがんじがらめになり時間がない人ほど、アフターファイブはプライベートな人脈作りに励むべきではないでしょうか。地域の活動やNPOに参加してみる、あるいは同期や先輩との交流会を企画してみる・・・。
チームの業績責任を負うリーダーの中には、他チームとの対立意識を抱く人もいるかもしれません。しかし、だからこそ、機会を捉えては他部門長との対話を試みるべきではないしょうか。彼らとの交流がコミュニティに発展すれば、自分の知見は大きく広がるはずです。
多様な人間関係を築いていくうち、ある日気付くと、知識や思考、志が幅広く深いものになっている。信頼でき、貢献し合える仲間を持っているといないとでは、能力に大きな差が生じてくるのではないでしょうか。こうして得られる人脈力は、情報力と読み替えることもできます。顧客からいきなり自分の専門外の分野について質問されても、困ることはありません。貢献の関係が広ければ、詳しそうな人にすぐ助言と仰ぐことができるからです。
カズミはまず、社外活動に参加し、多様な人々の考え、価値観、行動パターンを学びました。彼女は新しい仲間から大いに刺激を受け、自分の中の引き出しの数を増やしていきました。その後、今度は自分から人と人とを結びつけ、コミュニティを創りだしていきます。
デスクの上には、茶菓子を用意しておいた。菓子をつまみに来た部員同士に、話をさせようという狙いだ。
他部門との連携強化。心理的な壁を取り払うため、昔の人脈がある開発部や品質管理部、生産技術センターなどにも声をかけ、希望者を募ってバーベキューパーティーを開いた。
公式ネットワークだけではなく、インフォーマルな関係作りにも力を入れた。ラーメン愛好会やスポーツ観戦の会といった趣味系もあれば、会議の運営方法を改善する会、異業種交流会など、ビジネスやキャリア系の会も。
所属する組織の外や内に、「貢献仲間」の関係を持ち、なるべく多くの人々の価値観や体験を取り込むこと。そうすることで、自分の中に複数の引き出しを持つとことができるようになります。また、管理職や経営者であれば、部下、社員がそんな関係を作れるような仕組みを用意してあげるべきでしょう。
ナレッジコンシェルジュ・・「あの部署の部長が知っているはず」などと、解答を持っていそうな人物を紹介するのだ。
多くのホワイトカラー系の職場では、互いに、見えない仕事をしていることが多いのではないでしょうか。それらを見える化し、確認しあいながらミーティングを重ねれば、仲間が突き当たっている壁も見えてきます。そうなれば、仕事を手伝いあったり、知恵を貸しあったりといったことも、できるようになるはずです。
社員が自主的に提案活動を行い、ワーキンググループを結成して成果を挙げることがあります。テーマは、担当するプロジェクトなどにとどまりません。仕事以外の個人的な想いでもいいのです。すぐ目の前の仕事にはつながらなくても、新たなビジネスコンセプトや業務改善、職場環境の改善につながっていくかもしれません。オープンな受け皿がなかったばかりに、日の目を見ずに消えていった個人の気付きや想いはたくさんあったことでしょう。
Thank you Point制度 感謝の気持ちをカタチにする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2011年8月18日
読了日 : 2011年8月16日
本棚登録日 : 2011年8月16日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする