やはりいい。
頭のよい人は本当に羨ましい。
羨むということだけで僕は森さんから遠のいているのはわかるのだけれど。
誰を羨むこともなく
誰と比べることなく
誰も妬むことなく
誰にも理解されなくていい
最も珍しいことにこの作品では喜嶋先生と橋場くんは自分を比べているけれど。
森さんの作品を読むとき僕は正直内容はどうでもいい。
ただ文章の中に流れる汚れなく美しい何かに触れることがとてつもなく嬉しいのだ。
それは僕が森博嗣という生き方に対して憧れや羨望、自分のなかった未来を重ねているからだろう。
僕もあんな風に生きたかった。
世俗になんかまみれたくなかった。
こんな人が近くにいたら僕は変わっていただろう。
本だけでこれだけ変わったのだから。
しかし会うことはない。
ステージが違い過ぎる。
たった一人雰囲気が似ている人に出会い、僕は憧れを抱いたが近くに居続けることは出来なかった。
あれが最初で最後。
僕が知性に触れることが出来た機会だ。
貴重だった。
もっと早くに出会っていれば僕は森さんにもっと近づけただろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
現代ノベルス
- 感想投稿日 : 2010年12月31日
- 読了日 : 2010年12月31日
- 本棚登録日 : 2010年12月30日
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