NANAMI: 終わりなき旅

著者 :
  • 幻冬舎 (2001年10月1日発売)
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感想 : 6
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「NANAMI 終わりなき旅」
名波本2冊目。コンプリートまで後数冊。


名波浩と言えば今は「やべっちFC」の菊池巧氏(元日本代表SB)後の2代目解説者の仕事をしているので、もしかしたらサッカーが好きでは無い人でも知っているかと思います。そんな元日本代表MFによる書き下ろし作品です。


この本の主題は「サッカーとは何か」です。具体的な軸は3つあるかと思います。


1つ目はW98杯アジア最終予選(本選にも触れてはいるけど、大会初出場までの加茂監督の更迭や代表サッカーの変化そしてマスコミの偏重報道など予選通過の過酷さをどう乗り越え、感じていたのかが主)


2つ目はセリエA・ベネチア(99-00)での1年。当時の監督は現ゼニト監督でローマではゼロトップシステムを確立したスパレッティ(一度解任され、マテラッティの父(元インテルの選手で当時はペルージャに所属していた。つまり中田選手の同僚。06W杯決勝でジタンに頭突きされた人と言えばお分かりかとw)が監督を短期した後、すぐ戻ってくる)でした。


このセリエA移籍には「ベネチアがセリエAから降格した場合、名波選手はチームを離れる」という内容が含まれていました。故に非常に今でももしかしたら特殊な移籍かもしれませんね。当時私は、1年間のセリエA挑戦でしたけど名波選手は普通に通用していたので、シーズン後の移籍も上手くいけばよかった、むしろ何であんな変な契約内容を盛り込んでいたんだろうと思っていました。


3つ目はサッカーそのものです。日本初のW杯出場で感じた代表としての誇りやチームのメンバーとしての役目など、我々サッカーのプロでもない、まして代表のメンバーでもない人間には分からない心の変化や考え方が書かれています。


またW杯を経験した後やセリエAを経験した後の目には見えない進化にも触れてくれているので、非常に読み応えがあり、今後この点を意識して今の海外組の代表でのプレーに着目したいと思います。


またこの本を通じて一番感じることは「如何にプロとは厳しいか」です。特にマスコミやファンとの関係について名波選手個人の考え方がたくさん出てきます。これは彼自身の性格にもしっかり触れているので、しっかり腹を割った意見のように私は感じました。そのような決して言いことばかりではない外との関係から「プロとは自分で自分を評価しなければいけない」、「サッカーが楽しい」と踏み出せる点にはプロの凄みを感じました。


余談
岡野選手はやっぱり良い人。


中田、藤田、小野、中村(俊)、ジタン、ロナウド、インザーギ、各選手はやっぱり凄い。


解説者に物申す点は私も同意です。私達が分からない選手の良いプレーをしっかり試合中に指摘してくれてこそ、プロの解説者ですよね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: スポーツ
感想投稿日 : 2012年2月22日
読了日 : 2012年2月27日
本棚登録日 : 2012年2月18日

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