未踏地や未踏峰がほぼ無くなりつつある今の地球で、それでも冒険をするとすればどういう形が可能なのか?
20世紀までの冒険は、功名心や功利心、あるいは知的好奇心に駆動されて、人跡未踏の地に踏み込みさえすれば冒険と見做された。とてもシンプルで、わかりやすかった。
文明の発展とともに地図の空白地帯は消えていき、一見、わからないことなど何も無いかのようにさえ思えてしまう。だから21世紀の冒険は「今、どこに行けば冒険になるのか」「どのような旅をすれば冒険になるのか」という、冒険の定義から始まらなければならないらしい。とても、知的な作業だ。単なる命知らずの冒険野郎では、もう、本当の冒険には辿り着けないのだ。
そういう意味で、角幡さんは「冒険とは何か?」を真摯に突き詰め続ける、求道的冒険者としてとても魅力的だと私は思う。
次なるフロンティアを角幡さんがどこに描き出してゆくのか、とても楽しみだ。
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- 感想投稿日 : 2022年3月17日
- 読了日 : 2022年3月17日
- 本棚登録日 : 2022年2月13日
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