百年の孤独: Obras de Garci´a Ma´rquez1967 (Obra de Garc´ia M´arquez)
- 新潮社 (2006年12月20日発売)
圧巻だった。
うまく感想が出てこない。物語る楽しみとか、物語に引き込まれる快感とか、そういうのが圧倒的というかなんというか。
これが1950年代の文学シーンを牽引した、と言われて、確かにそうだろうな、と納得せざるを得ない。それくらい、すごい。
いい本読んだ。これをもっと前に読んでいたら、と思うけれど、一方で、ある程度の読書歴があったからここまで吹っ飛ばされたのかもしれないので、それはそれで幸せな出会いだったと言える。
「小説って、こうだよね」という教科書的な読みばかりしていた自分にサヨナラ。
そんな本だった。
中身について。
一族の歴史、なんだけど、読後感が『古事記』のそれに近い。世俗の話には違いないんだけれど、系譜的には神話に入れてもいいような。
近代の目で前近代を描いたのが芥川。この小説はその逆。前近代の目を捨てずに、近代を描いている。だから、『遠野物語』にも近い肌合いを感じる。女との交わりが家畜の増殖につながる、なんていうあたりは、類感呪術のたぐい。
登場人物が前振りなしにボッと出てきて、いつの間にやらストーリーを牽引してたり、かとおもうと「えっ?このタイミングで?」って時に死んじゃうし。死んだかと思えば生きてる人と会話が成立してるし。
でも、破天荒なだけじゃなく強烈なメッセージ性ももってる。
愛じゃ人間は救われないんだ。
もちろん、孤独も救っちゃくれないよ。
じゃあ何のために生きるのかって?
何のためだかわからない。
けど、この世なんてしょせん蜃気楼だしね。
じゃ。
っていうメッセージなのかしら?
とにかく心にドカンと入ってくる。
なんだろう、この圧倒的なパワー?ジャングル的とでも言うのかな。
上手くまとまらないけど、そもそも、まとめられないように物語られている作品だから仕方ない、ということにする。
とりあえず、今日、2人の本好きさんに貸してみたので、後で感想を聞いてみたいと思う。
存分に吹っ飛ばされてくれてるといいな。
- 感想投稿日 : 2021年7月1日
- 読了日 : 2021年7月1日
- 本棚登録日 : 2021年2月10日
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