鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

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  • 新潮社 (2017年4月18日発売)
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鳥類学者は、冒険家かと思うほどのハードな場所へ。
繰り広げられるのは、体力勝負で七転八倒の困難さ。
それをクールな口調で語る、やっぱり鳥メインなエッセイ。
始めに、或いはトモダチヒャクニンデキルカナ
第一章 鳥類学者には、絶海の孤島がよく似合う
第二章 鳥類学者、絶海の孤島で死にそうになる
第三章 鳥類学者は、偏愛する
第四章 鳥類学者、かく考えり
第五章 鳥類学者、何をか恐れん
第六章 鳥類学者にだって、語りたくない夜もある
終わりに、或いはカホウハネテマテ
特別収録 西之島・淤能碁呂絵巻
鳥類学者自体が絶滅危惧種に違いない。
な~んて勘違いしてしまうほどのハードなフィールドワーク。
研究室で黙々と研究したり、論文書いたりしているだけではない。
たとえインドア派であろうとも・・・バイク好きだが。
小笠原諸島や八重山諸島、絶海の孤島の西之島や南硫黄島、
ボルネオ島で調査に勤しむこともある。
耳穴に蛾が飛び込み、小バエに襲われ、蚊に刺され、
100m泳いで上陸し、断崖絶壁を登り・・・難航苦楽の調査の数々。
語り口はクールっぽく、何だかギャグもちゃらっと覗かせ、
さり気なくアニメやマンガ、映画等の知識も盛り込んでくる。
しかも、鳥類研究や絶滅危惧種、環境問題の話も、しっかりと。
鳥が好きだと思うなよとうそぶきながら、
鳥の骨格標本について熱く語る、まさに鳥類学者ここにあり!
うむ、面白かった。でも真っ赤なリンゴジュースって・・・。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 理科系
感想投稿日 : 2022年5月4日
読了日 : 2022年5月4日
本棚登録日 : 2022年4月26日

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