鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

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著者 : 川上和人
制作 :                      
  • 新潮社 (2017年4月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103509110

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鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。の感想・レビュー・書評

  • 理系人間のモノの考えを見せつけられた。必ず理由や原因を、くだらないことにも見出す思考回路のような。

    純粋に、鳥についても色々教えてもらった。

    印象に残っているのは、
    鳥の色についてで、異性、主にメスへ、アピールするための色と保護色のための色があるというところだ。

    私は胸や腹が白くなっている色合いが好きだけど、全体が白くて胸が黒い色合いはない、というところに妙に共感。

    最後の、人間と鳥の共通点、二足歩行であること、音声と視覚のコミュニケーションをとること、昼行性、一夫一妻制、と教えてもらって、鳥に親近感を持った。

    あと、リンゴジュースにそこまで敵意を覚えなくてもよいと思う。

  • HONZで激賞されてたので、つい。「難しいことを簡単にいう」に留まらず「しかも面白く言う」人が、一見マイナーな領域で増えてて嬉しい。そして概ね同世代。美しい噴火写真で話題の西ノ島も登場するので、これからも売れ続けるかも。「鳥と人間には共通項が多い。二足歩行で、昼行性で、視覚と音声によるコミュニケーションをとり、主に一夫一妻制。そんな動物は鳥と人間しかいない」。ね、面白そうでしょ。

  • タイトルに惹かれて読んでみたが、鳥嫌いじゃないじゃない。

    フィールドワークの大変さも、鳥への探求心も、おやじギャグの浪間に沈んでしまっているようで残念。

    東日本でカールの販売停止が決定してしまった。筆者は西まで買いに走るのだろうか、気になる。

  • 自然科学者、研究者であるがゆえの楽しさや苦労等の裏話もたくさんあり、
    ジェネレーションギャップなのかたまにギャグがわからないときもあったけど、
    全体的に楽しく読めた。

  •  おにぎりを食べていると、しばしば愕然とさせられる。なんと、梅干しが入っているのだ。ウメはアンズやモモの仲間、紛れもない果物だ。フルーツを塩漬けにして、ご飯に添えるなど、非常識にもほどがある。私が総理大臣になったら果物不可侵法案を可決し、梅干しを禁止、フルーツの基本的権利を守ることを約束する。ついでに酢豚からパインを排除しよう。(p.1)

     時間は空間と同じく、生態系に存在する資源である。昼という時間は暖かく明るく質が高い資源であるため、競争率が高い。これに対して、夜はその暗さと寒さゆえに利用者の少ない不人気な資源である。夜の鳥たちは、このマイナーな資源を選ぶことで利益を得ているのだ。(p.42)

     持ち帰ったサンプルを分析している頃、南硫黄島の映像がテレビで放映された。調査には映像記録班が同行していたのだ。そして吃驚仰天敷いた。なんと、画面に映った南硫黄島は非常に美しかったのだ。これは私の知る島じゃない。足元の死屍累々、未だ口内に完食の蘇るハエ呼吸、波打ち際にのたうつ地球外生命体こそが、あの島の真実である。
     騙されちゃいけない。美しいだけの自然なんてない。テレビの風景は嘘ではないが、真実の一部でしかない。裏切りのない不二子ちゃんなぞ魅力は半減だ。美とは、毒に支えられてこそ真の魅力を発するものと心得てほしい。(p.65)

     鳥類学者としての私の仕事は、自然界に埋もれた真理を見つけることだ。それは、未知の事象との出会いである。まだ説明のない事実と向かい合い、要因を推定しメカニズムを解釈することこそ、自然科学者の責務である。つまり私の後付け行為は、まさに科学者としての振る舞いなのだ。対象が自然界にあるか自己の内面にあるかの違いだ。(p.75)

     小笠原で捕獲されたネコは、小笠原海運の協力により内地に送られ、東京都獣医師会の協力で里親を探すという体制が取られることとなった。多くの関係者の協力により、ネコを殺さずに取り除くシステムが作られたのだ。簡単に数行で書いたが、ここに至る道は険しかったと想像してもらいたい。(p.90)

     変わりが無いというのはすごいことなのだ。クラゲに取っても、周囲の環境は大きく変化してきたはずである。三葉虫が滅び、クビナガリュウがはびこり、竜宮城の建設ラッシュを迎え、海中は激動の歴史を経験した。変化に耐えられない者は全滅し、あるいは異なる姿に進化して凌いだのだ。
     そんな中でブレることなく姿を保てたということは、原初の段階で彼らの形態が既に完成されていたことを意味している。サメやカメも中生代にはすでに現生種に近い形態が見出される。変化こそが流転する世界で生き残る術のようにも言われるが、完成体に至っている生物にとっては戯言にすぎない。(p.204)

  • テンション高めの文章と畳かけるおやじギャグに目がくらんで、なかなか内容が頭に入ってこない。いにしえのテキスト系サイトだと思うとしっくりくる。

  • 鳥が好きというより、鳥との戦い。カールがなくなったら、どうするんだろう?これが1番の死活問題かも。

  • 理系蛮族こと鳥類学者の川上先生の愉快な本。
    いわゆる「ネタを挟まないと死んじゃう病」に
    かかっておられる。

    基本バカ話のようなのだが、
    「研究とは」「学問とは」というエッセンスも
    ちゃんと感じさせてくださるのはさすが。

  • 面白い。古今東西のネタを縦横無尽に織り込んだ文章がまず目を引く。だんだん慣れてみると、軽妙な文章だけでなく紹介されている知識やものの見方自体がそもそも興味深い。
    キョロちゃんが実在の鳥ならどんな生態か?同じ場所に似た種類の鳥が住んでいると、交雑しないために目印を持つように進化したりする…等、等。孤島に侵入した外来種の駆除に関わる努力は、以前読んだこの本[http://booklog.jp/item/1/4163900810]にも通じる。
    予算やマネジメントの締め付けがきつい昨今、学術研究を「面白い」と語ることがなにか憚られるかのような世の雰囲気があるけれども、面白さを伝えてくれることもひとつの社会貢献。

  • 『鳥類学者だからしたがって、鳥が好きだと思うなよ』(川上和人)

    普段使わない読みの漢字

    戦隊モノやらアニメや物語そしてアイドルまで
    村上先生の放つ弾は、あちこちに飛び過ぎです。
    でも、
    “回転運動”“キョロちゃん”に関する妄想というか、観察が素敵でした。
    「ファーブル昆虫記」を読んでいた感覚を思い出しました。生物学者、いや科学者たちは素敵な眼(観察眼、妄想癖)を持っている。
    私たち一般人よりはるかに、ロマンチストなのにそう思われないのは、それを覆い隠してしまうほどの、『科学的な考察力が凡人には理解できない』のだろう。

    『川上先生!鳥類学の敷居を低くしてくれるのはいいのだけれど、私はもっと純粋に鳥の魅力に触れたいので、次回は本気で、鳥の世界へ誘惑してください。』


    ファーブル昆虫記を読んで生物学者に魅了されて、虫嫌いな妻に、必死に昆虫の魅力を説いているが無視され続けている健気なオヤジです。


    ○極アジサシ 北極圏で繁殖して南極圏で越冬する。8万kmの大移動(なんの意味があるのか?)
    ○1億5000万年前に鳥類が誕生し、飛ぶ技術とそれに適応した身体を進化させていった。
    ○小笠原諸島は海洋島、海洋島とはかいようの底をなす海洋プレートの上にぽっかりと生まれた孤高の島。(ハワイ、ガラパゴス)
    これに対して、大陸棚の上にあり大陸と繋ながりやすい島を大陸島と呼ぶ。(本州、沖縄)
    *ビュルム氷期
    「先に適した生活の環境が必ずあるとは限らず、移動は命がけのギャンブルとなる。そもそも飛ぶことは重力に抵抗する高コスト行動である。必要がなければ飛ばないにこしたことはなく、その性質が進化するのだ。』

    *妖鳥シレーヌ
    ○夜間に長距離を移動する渡り鳥はタカやハヤブサに襲われないためとも、気温が低く気流が安定しているためともいわれている。

    *チュカパブラ

    糞には消化管の内壁に由来するDNAも含まれている。糞内の化学成分を分析すれば。糞によって土壌にどのような栄養分が供給されるかもわかる。

    糞: 食物が口から消化管を通過する過程で栄養分が吸収され、吸収されなかった残滓が総排泄腔から外界に排出されたもの。
    (消化管は体を貫くチューブ、ドーナツの穴にのようなもので、食物は体内の外界とも言えるチューブを通過しているだけ)

    尿: 一旦体に吸収された成分が体内での役割を終え、腎臓を経由して老廃物として形を変えて排出されるもの。

    鳥は体を軽くするため体内に余分な水分を蓄えていない。なので、水分の含有量が少ない尿酸という形で排出するのが得策。

    かすみ網

    鳥は捕まると糞をする。(捕獲されたショックと緊張。体を軽くして逃走の準備をしているのか)

    鳥が食べたものは短時間で消化管を通り抜ける(飛翔のため体を軽く保つ必要性があるから、メジロで概ね1時間弱)

    *ウィトルウィウス的人体図

    *窘の読み

    野生生物では効率の悪さが死に直結する。野生生物は敵対関係で、運動性能を洗練させてきた。

    飛翔の無駄な手順
    羽ばたき、前進に必要なのは翼を下ろすときのみ、持ち上げるときはその準備に過ぎない。

    動物の歩行の無駄な手順
    前に出した足は、地について、後方に蹴ることによって進む。足を出す間は宙に浮いていて推進力は得られない。

    回転運動は前進のための行為がそのまま予備動作を兼ねていて無駄がない。極めて効率的。

    空中で回転する物体はジャイロ効果を生み安定した起動で飛ぶ。

    ★ニワトリやハトが歩く姿で、まず首を前に伸ばし、頭の位置を固定した上で体を前に移動させる。体が移動したらまた首を伸ばし、同じ行為を繰り返す。これは首を動かす一瞬以外は頭の位置が静止し、安定した視界が長時間維持できるからだ。つまり、首を振っているのではなく、空間に頭を固定しているのだ。
    鳥類は視覚... 続きを読む

  • ネットで見かけて。

    笑えた。
    どらえもんやガンダムや迦陵頻伽、昔話なとが、
    絶妙なタイミングで飛び出てきで、みぞおちを突かれる感じ。
    だんだん慣れてきて、この角で秋元康が来るな、と思っても、毛利元就だったりとか。

    とはいっても鳥類研究の話も面白かった。
    ズクロミゾコイの調査をしていて、その声に似ている牛舎の前にたどりついたり、ホンダのバイクの後ろにいたことがあるとか。
    環境保護地域の南硫黄島への調査に向かうために、一週間前から種子のある果実は食べず、道具はすべて新品を用意し、クリーンルームで準備をして、地域外の動植物をもちこまないように気をつけたとか。
    ボルネオ島の研究対象地がコーヒー農場や違法な石炭採掘場になってしまったとか。

    こういうタイプの本は、最初飛ばしても、最後に失速してしまうことが多いが、最後まで美味しかった。
    そういう意味では、最後までアイスクリームがつまっている抹茶パフェというべきか。
    チョコパフェほど甘くはない。
    抹茶アイスとか生クリームとか抹茶シフォンとか白玉とかあんことか、それぞれ美味しい鳥ばなしがてんこもり、そこにアクセントが効いてる感じかな。
    でも、そのアクセントは、例えるなら何だろう。
    コーンフレークじゃないとは思うんだけど…。

  • 読みやすく面白い。
    ちょっと例えが、どうかな〜と思うことがしばしば、いやかなりあったけど、鳥類学者と友達となってもいいかな、と思った。

  • 初っ端からエンジン全開で梅干しと酢豚のパインへの愛憎を語り、絶妙なタイミングでサブカルネタを繰り出す海千山千最強の理系蛮族にして鳥類学者川上和人。
    彼のグイグイと読ませる文章が、我々を火山や絶海の孤島に生きる鳥たちの世界へと誘う。

  • 内容的インパクトは著者の最初の著書『鳥類学者無謀にも恐竜を語る』ほどではないにしても、『そもそも島に進化あり』に続いてこちらも前2冊同様、著者の軽快な文章により楽しく読ませてもらいました。

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鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。の作品紹介

出張先は火山、ジャングル、無人島……センセイ、ご無事のお戻り、祈念しております。必要なのは一に体力、二に体力、三、四がなくて、五に体力?! 噴火する火山の溶岩、耳に飛び込む巨大蛾、襲い来るウツボと闘いながら、吸血カラスを発見したのになぜか意気消沈し、空飛ぶカタツムリに想いをはせ、増え続けるネズミ退治に悪戦苦闘する――アウトドア系「鳥類学者」の知られざる毎日は今日も命がけ! 爆笑必至。

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