信長と消えた家臣たち: 失脚・粛清・謀反 (中公新書 1907)

著者 :
  • 中央公論新社 (2007年7月1日発売)
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感想 : 13
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織田信長は何故多くの配下を失ったのか。その歩みを辿る。
序章 粛清の城 佐和山城
第一部 挫折
  第一章 元亀騒乱の中に消えた武将たち
  第二章 越前の騒乱の中で
  第三章 抜擢に応えられなかった者たち
第二部 粛清
  第四章 伊勢における粛清  第五章 近江における粛清
  第六章 天正八年の老臣追放 第七章 北陸国衆の粛清
第三部 反逆
  第八章 反逆の中での尾張統一 第九章 将軍との対立の中で
  第十章 水野信元と松平信康の切腹
  第十一章 信長を見限った外様大名
  第十二章 反逆による信長の最期
  終章 反逆されやすかった信長
信長家臣人名索引有り。
織田信長の天下布武の行程の裏の、黒歴史というか、
見出しを見ただけでも、いかに多くの人材を失っているかが、
分かるという、消えた家臣たちの悲劇がどっさりな内容です。
反信長包囲網、将軍・義昭の暗躍、一揆、本願寺、離反、
国人衆等々、信長自身が多忙過ぎての目配り不足も。
成功と失敗は隣合わせで、武将の配置が少なかったり、
援軍を送れなかったりで、討ち死。一族郎党滅亡も。
抜擢されても失脚。出世しても失敗すれば追求されて没落。
降参しても処刑。招かれて謀殺。
家中で実績があっても追放、それも昔の事を蒸し返して・・・。
猜疑心が深く、執念深かったという信長自身の性格もあるから、
仕える武将たちの日々は大変だったと、考えてしまいます。
反乱や逃亡を考えるのも、なんか納得。
とにかく、消えた家臣の数の多さにはゾッとしました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本史
感想投稿日 : 2021年9月13日
読了日 : 2021年9月13日
本棚登録日 : 2021年9月8日

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