浅田次郎さんといえば「鉄道員」。何度読んで何度目頭が潤んだことだろう。その「鉄道員」を読むきっかけとなったのがこの本。最初の浅田次郎さんだった。
20数年ぶりの再読。その時は何とも言えない読了感を持った。ノスタルジックな物語に心がやんわりとやさしく包まれたことを覚えている。
少し前にラジオの朗読番組で「うたかた」を聞いた。切なくもあたたかく悲しいけれど悲しくない(?)ノスタルジー…2回3回と聞き直した。この物語がこの本に掲載されていると知って読もうと思った次第であります。んで、今回の再読だけど、どの物語もまったく内容を覚えていなかった。そして20数年前に味わったあの読後感は残念ながら訪れてこなかった。自分が年を取って心がさび付いたのかもしれない。
「スターダストレビュー」は割と好きな作品だ。ブルースっぽい小説というのか廃れた感が好きだ。少し主人公の意固地頑固さがやりすぎのようにも思えるのだけど。
ただ、やっぱり「うたかた」にはじ~んときた。隅々までにじみ出てくる昭和レトロ感。あの時代が日本人にとって一番幸せだったのではないかと思う。「うたかた」というタイトルに万感の思いを感じる。この本の中ではこれが一番好きだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年9月9日
- 読了日 : 2022年9月9日
- 本棚登録日 : 2022年9月9日
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