■書名
書名:クワイエットルームにようこそ
著者:松尾 スズキ
■概要
恋人との別れ話から、薬を過剰摂取してしまった明日香は、意識を
失っているうちに精神病院の閉鎖病棟に強制入院させられてしまう。
わたしは「正常」なの、それとも「異常」なの? 逃げ場のない閉
鎖空間を舞台に、くりひろげられる葛藤の世界。冒頭の衝撃的なシ
ーンに始まり、不運に不運を重ねていく明日香は、果たして絶望の
淵に落ちてゆくのか。それとも……。
文芸誌『文學界』2005年7月号に一挙掲載され、第134回芥川賞
候補にもノミネートされた話題作!
演出家、映画監督、俳優、作家と多ジャンルで刺激的な試みを続け
る松尾スズキが贈る「絶望と再生の物語」。
(From amazon)
■感想
時間つぶしに購入し、読んだ作品です。
題名は、何となく聞いたことあったんですけど、読むのは初めて
でした。
非常に短い物語で、軽いタッチで精神病棟での2週間の生活が描か
れています。
面白いし怖いのは、病院というのは精神病棟でなくても同じで、
普通の人が「怒る」のと、入院患者が「怒る」のでは、大分見る目
が違うという事です。
これは、まぎれもない事実です。
やはり、病人は、そこで働いている人間(看護師、医者など)には、
下に見られますので、何か少しでもおかしなことをやらかすと、話
も聴かずに勝手に悪者にされます。
だから、看護師が患者に何かしらの悪さをしても、表に出てこない
のが大半だと思います。(最近は、少しニュースにはなりますけど、
あれも氷山の一角に過ぎないでしょうね。特に精神病棟なんて、
看護師、医者の遣りたい放題でしょう。)
この小説では、こういう場面を結構描いていて、病人の正当性に軍配
が上がるようになっています。
ある意味、勧善懲悪の小説です。
自分は正常と思いながら、異常の中で暮らしていくストレスが、軽い
タッチで分かりやすく描かれています。
読みやすいので時間つぶしには持ってこいですが、それ以上のものは
無いかもしれません。
- 感想投稿日 : 2014年1月26日
- 読了日 : 2014年1月26日
- 本棚登録日 : 2014年1月26日
みんなの感想をみる