運痴の自分には青春スポーツ小説はハマらないと思っていましたが、そんな予想は簡単に裏切られました。
この本は本当に素晴らしい。
一行一句、無駄なものが何もありません。
登場人物の目線やかすかな心の揺れまでもが丁寧に描かれています。
何より走るときの描写は、まるで自分が本当に速く走っているかのよう。
もしも走のように走れたら、世界は全く違って見えるんだなと、羨ましくなるほどに。
駅伝では全員の想いを実際の走順に追っていますが、個人的にはキングの走る姿が一番心に残りました。
誰とでもそつなく仲良くなれるけれど、本当は誰にも心を開けない。そんな自分が嫌いで、どうにか変えたくて。
不器用で神経質。だけど本当は誰よりも繊細なキングの心を知ることができ、本当に良かったと思います。
早く続きを読みたいけれど、やっぱり大切に読み進めたくて。
はやる気持ちを抑えるのに必死でした。
三浦しをんさんは「舟を編む」で一度読んだことがありますが、描く世界が眩しいほどまっすぐだなと感じます。
登場人物みんなが魅力的で、最後はみんなを好きになる。
綺麗事ではなく、素直にそう感じるのです。
人生のお供にしたいほど素敵な物語でした。
ありがとうございました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年1月20日
- 読了日 : 2022年1月20日
- 本棚登録日 : 2022年1月15日
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コメント 2件
アールグレイさんのコメント
2022/01/22
かりうささんのコメント
2022/01/23