まく子 (福音館の単行本)

著者 :
  • 福音館書店 (2016年2月25日発売)
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本棚登録 : 1853
感想 : 253
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「信じて嘘つかれるのが嫌だから、最初から信じないのは、い、嫌だし。俺は、全部信じて、じ、自分の頭で嘘だと分かって、分かってから、傷つくんだし。」p177
ドノの台詞。

もし私が主人公の立場だとして、転校生の女の子から宇宙人だと打ち明けられたとして、馬鹿正直に信じることはできないだろうと思った。それは、私が主人公の言う「化け物」だからなのかもしれない。
化け物=大人、になりきれなかったドノだからこそ、人の言うことを真っ直ぐに信じられるのだろうと思った。

文中には「真っ直ぐ」という表現が繰り返し出てくる。非常に象徴的な言葉だ。しかし、その表現で表される人物は3人しかいない。3人が3人とも真っ当な大人(ないしは人間)とは言い難い人物だ。
大人とは何か、人とは何かを考えさせられる小説。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年2月24日
読了日 : 2017年2月24日
本棚登録日 : 2017年2月24日

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