「信じて嘘つかれるのが嫌だから、最初から信じないのは、い、嫌だし。俺は、全部信じて、じ、自分の頭で嘘だと分かって、分かってから、傷つくんだし。」p177
ドノの台詞。
もし私が主人公の立場だとして、転校生の女の子から宇宙人だと打ち明けられたとして、馬鹿正直に信じることはできないだろうと思った。それは、私が主人公の言う「化け物」だからなのかもしれない。
化け物=大人、になりきれなかったドノだからこそ、人の言うことを真っ直ぐに信じられるのだろうと思った。
文中には「真っ直ぐ」という表現が繰り返し出てくる。非常に象徴的な言葉だ。しかし、その表現で表される人物は3人しかいない。3人が3人とも真っ当な大人(ないしは人間)とは言い難い人物だ。
大人とは何か、人とは何かを考えさせられる小説。
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- 感想投稿日 : 2017年2月24日
- 読了日 : 2017年2月24日
- 本棚登録日 : 2017年2月24日
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